八百屋次期三代目が語る「果物と野菜の向き合い方」

~選ぶんじゃない、“向き合う”んだ~

こんにちは。青木青果、三代目の青木一真です。
祖父の代から続くこの八百屋を、私はこれから、三代目として引き継ぐ準備をしています。

今日は「果物と野菜とどう向き合ってきたか」、そして「これからもどう向き合っていくか」について、少し本音で語ります。


■ 子どもの頃から果物は“商売道具”だった

私にとって果物と野菜は、最初から“生活の一部”ではなく“商売の一部”でした。
遊び場は市場、夏休みは手伝い、りんごや桃の入った箱を触って育ちました。

ただ、それが嫌だったかと言えば…むしろ誇りでした。
周りの同級生が知らないことを、私は知っていた。
「このリンゴはまだ食べ頃じゃない」とか、「この桃は冷やしすぎると味が落ちる」とか。
“果物と野菜を売る家に生まれた”という事実が、知らないうちに自分の芯になっていたんです。


■ 果物と野菜は“見た目”で売れて、“中身”で信頼される

私たちは毎朝、競りに出て“見た目の良いもの”を狙いにいきます。
けれど、長くお付き合いのある飲食店さんや福祉施設さんが本当に求めているのは“中身”です。
「甘い」「日持ちする」「歩留まりがいい」——見た目より中身。
そのギャップを埋めるのが、八百屋の“目利き”です。

そして何より、自分が納得できる品を売る。
だから私は、自分で試食して使ってみて「これなら青木青果という名前を出せる」と思えるものしかお客様に勧めません。


■ 八百屋は「ただ商品を売る仕事」じゃない

果物を右から左に流すだけなら、今の時代ネットで十分です。
でも私たちは、実際に市場で自分の目で見て、手に取って、納得したものだけを仕入れています。

「この桃は見た目は控えめだけど、皮の張りと重さから中身に期待できる」
「このりんごは色づきは控えめだけど、手に持った重さで、蜜入りの良さを感じる。」
——そんな判断は、現場でしかできません。
誰が育てたかということも重要ですが、誰が選んだかということも重要だと思っています。そこに私たち青木青果の価値があります。


■ 次期三代目として大切にしていること

代々続いてきた仕事だからこそ、私は「昔ながらの良さ」と「今の時代の求められ方」を両立させたい。

・目利きは常にアップデートさせる
・納得できない品物は仕入れない
・情報発信やネット販売にも力を入れる
・お客さんとの距離は近く、声は直接届くようにする

昔と同じことをやっていたら、廃れます。
でも、変えちゃいけないこともある。
その境界線を、毎日考えながら果物と野菜に向き合っています。


■ 最後に:果物と野菜と一緒に生きていく

果物と野菜は、生き物です。
私たちがどれだけ気をつけても、最後に“自然”が判断する。
でもだからこそ、嘘がつけない。ごまかしがきかない。

私は、そんな果物と野菜に正直に向き合ってきました。
これからも、そうやって生きていきたいと思っています。


👉 「この人が選んだ果物なら間違いない」
そう思ってもらえるよう、毎朝真剣勝負で競りに立っています。
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